相手の対応に納得できない

「交通事故後、相手方が音信不通になってしまった」

「相手方が威圧的な態度をとるため、冷静に交渉を進められない・・・」

交通事故発生後、本来であれば、当事者双方が協力をして解決を目指します。

この時、双方が任意保険に加入していれば、お互いの保険会社が代理となって交渉をすすめていく事が出来ます。

しかし、こちらの過失割合が0の場合においては、保険会社は代理行為をできないため、その場合は自身で交渉をしなければいけません。

また、令和4年3月末時点において、4人に一人が任意保険に未加入であるといった系統も出ています。

(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」参照https://www.sonpo.or.jp/report/statistics/syumoku/ctuevu0000004shr-att/kanyu_jidosha_ken.pdf

もし、事故の相手方がたまたま任意保険に未加入であった場合、相手方本人と直接交渉をする必要が出てきてしまいます。

そして時には、連絡先を交換したあと相手が無視を決め込み、円滑な交渉をすることが難しくなってしまうというケースも存在します。

大抵、なんらかの不都合な理由を抱えてそのような行動をとっていますから、こちらが想像しているような普通の交渉を進めるというのは、非常に難しいのが実情です。

また、かろうじて連絡をとれる状態ではあるものの、相手方が威圧で全く話が通じないといったケースなども多く見受けられます。

いずれにしても、事故後というのはただでさえ心にも身体にもダメージがある状態ですから、そのような責任の所在が宙ぶらりんな状態が続くことは、できる限り避けなければいけません。

では、交通事故後の相手方がそのような悪質なタイプだった場合、どのように交渉をすすめていくべきなのでしょうか。

ここでは、その対応についてご説明していきます。

1 相手が交渉に応じない場合の対応とは

事故発生後、相手方が任意保険未加入である事が判明したという事案を仮定として、よくある2つのケースをもとにご説明いたします。

相手が連絡を無視する

まず、相手方へ内容証明郵便の発送を行います。

賠償請求をする意思、支払いの期限、これ以上連絡を無視した場合は訴訟提起等の法的手続きに移行する可能性もある旨を、明確に記載すると良いでしょう。

多くの場合、このような書面が届くと慌てて連絡してきますので、まずは内容証明を送付し、こちらが交渉したいことを相手に伝えることが大切です。

なお、内容証明郵便には法的な拘束力はありませんので、あくまでもこちら側の意思表示の証拠として活用するものである、という認識で作成しましょう。

悪質な相手方の場合は、内容証明を送付したあとも無視を決め込んでくるということがあります。その場合は、ADR(裁判外紛争解決手続き)の利用や、最終的には訴訟提起をして問題解決を図ることを検討しましょう。

ADR

裁判外紛争解決手続きのことで、主に「交通事故紛争処理センター」や、「日弁連交通事故相談センター」等の機関を通して、事件の解決を図ります。

ADRは、あくまでも中立的な立場から事故の示談成立を手助けする機関であるため、どちらか一方の代理人となって手続きを進めていくものではないことが大きな特徴です。

相手方と連絡がとれない場合でも、ADRが代わりに相手方を呼び出してくれますので、精神的な負担を大幅に軽減することができます。

訴訟提起

内容証明を送付しても無視を決め込まれている、またADRからの呼び出しにも応じないという場合は、訴訟提起の検討をおすすめします。

なお、被告が裁判期日を故意に欠席した場合、原告の主張が全面的に認められることになりますので、連絡がとれない相手にはこの方法が非常に有効な手立てとなります。

また、この時相手方に請求する賠償額が60万円以下の場合は、「少額訴訟」も利用できます。この手続きであれば、通常は審理が1回で終了しますので、より迅速に手続きを行うことができます。

ただ逆を言えば、この1回で判決が出てしまうため、証拠資料等をきちんと準備して臨む必要がありますし、また、裁判官の判断によっては、通常訴訟に移行してしまう可能性もあります。そうなった場合、余計な手間と費用が発生してしまうというデメリットも含んでいるということを、充分に理解しておくことが大切です。

相手が威圧的な態度をとり、交渉がすすまない

世の中には様々な価値観をお持ちの方がいます。

時には、威圧的な態度をとることで、物事を自分に有利になるようにしようと考える方も、残念ながらお見受けします。

交通事故における相手方がそのようなタイプの場合、相手方が任意保険に加入していれば良いのですが、もしかしたら未加入である事のほうが多いかもしれません。

こちらは早く解決を図りたいのに、相手にそのような非協力的な態度をとられてしまっては、思うようにすすまず、非常に苦労してしまうであろう事は容易に想像できます。

また、仮に相手が任意保険に加入していたとしても、その保険会社の担当者が高圧的で、わざと専門用語を織り交ぜて話してくるなどの方法をとってくるというケースもあります。その場合、余計に精神的ストレスを抱えてしまう原因となってしまいます。

そのような時は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士は法の専門家ですので、感情で物事を有利にすすめてこようとする相手に対しても、冷静に交渉をすることが出来ます。

また、保険会社においては、通常、時間と手間のかかる裁判を避ける傾向があります。

弁護士が入ることにより、裁判手続きに移行してしまう確率が上がることになりますので、それを避けるためにも、こちらに有利なかたちで交渉をすすめていける場合が多いのです。

2 まとめ

事故後、突然相手と連絡がとれなくなってしまったら、焦りや怒りなどの感情が強くなり、冷静に物事を見られなくなってしまう方がほとんどではないでしょうか。

ここで気をつけていただきたいのが、平気で連絡を無視するといった行為ができる方というのは、感情的に不安的になってしまった方に漬け込むことが非常に上手いという事です。

そのため、早く解決したいという一心で感情的に動いてしまうと、結果的にご自身に不利な内容で交渉がすすめられてしまう可能性があるのです。

したがって、「この相手方(保険会社)とでは、このままでは埒が明かないかもしれない・・・」と感じた時点で、一度弁護士へご相談されることをおすすめします。

内容証明の発送や訴訟提起、相手方保険会社との交渉もすべて弁護士が代理で行いますので、上記であげたような心理的ご負担を大幅に解消することができるからです。

アポロ法律事務所では、交通事故全般のご相談を承っております。相手方との交渉や、相手方保険会社との交渉におけるお悩みがございましたら、ぜひ一度、ご相談ください。

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