弁護士に遺言書作成を依頼するメリット

「いざ」という時のために、「いま」遺言書の作成をしませんか?

「自身の亡き後、相続手続で家族に面倒はかけたくない。自身の元気なうちに、相続の内容を決めておきたい。でも、実際に何をすれば良いのか、難しくて分からない・・・」

そのようなお悩みを抱えて、当法律事務所へご相談にいらっしゃる方がいらっしゃいます。

ここでは、「遺言書って何?」「どうやって作成すれば良いの?」「どんな法的効力があるの?」という皆様の疑問に、分かりやすくお答えしていきます。

1 遺言書作成のメリットとは?

遺言書とは、被相続人死後の相続手続きに関する、被相続人の意思を示す文書です。

死後、残された相続人たちの中でどのように遺産を分けて欲しいかなど、生前のうちに自身の希望を書面に残しておく事で、相続人同士での紛争を避け、スムーズに遺産分割する手助けが出来るという非常に大きなメリットがあります。

例えば、献身的に被相続人を介護してくれた相続人がいた場合、感謝の形として、その相続人にはより多くの遺産を残してあげたい、と考えるケースが多々あるかと思います。

しかし、このようなケースにおいて、もし被相続人が遺言書を残していなかった場合、どの相続人も民法で定められた法定相続分しか遺産を受け取ることしかできないため、結果として、大変不公平なものとなってしまうのです。

なお、より多くの財産を相続するには、寄与分を主張するなどの方法もありますが、主張が認められるためにはいくつかの要件を満たす必要があるため、死後、残された相続人に不要な精神的負担をかけてしまうことを避けるためにも、遺言書を作成しておくことは、非常に大きな意義があると言えるでしょう。

2 遺言書は3種類

一言で遺言書と言っても、実は3種類もあることはご存知でしょうか。

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つが、日本における民法上の遺言の方法です。

なお、それぞれ作成方法や裁判所の検認手続きの有無等が異なるため、以下で詳しくご説明していきます。

① 自筆証書遺言:オススメ度★★

特徴

作成者は遺言者本人/全文遺言者の手書き/遺言者が保管する/証人は不要

メリット

費用がかからない/遺言書の内容を秘密にできる/いつでも作成可能

デメリット

紛失や盗難の危険性がある/開封の際は裁判所での検認手続きが必要

② 公正証書遺言:オススメ度★★★

特徴

証人2名と遺言者が公証役場へ行き(身体的理由がある場合、公証人が遺言者の自宅や病院へ出張する事も可能)、遺言者が公証人の面前で遺言内容を口述し、それを聞き取ったものを公証人が文書にする/公証役場で保管

メリット

紛失や偽造の恐れがない/裁判所での検認手続きが不要/公証人が記述するため、遺言者に身体的理由がある場合も作成可能

デメリット

費用がかかる(遺言書に記載する財産の価額によって異なる)/遺言の内容を秘密にできない

③ 秘密証書遺言:オススメ度★ 

特徴

遺言者本人が作成した遺言書に署名・捺印後、封筒に入れて封印する。封印された封筒に証人2名、公証人1名が署名・捺印する/遺言者が持ち帰り、保管する

メリット

遺言書の内容を秘密にできる/パソコンでの作成及び代筆も可

デメリット

一律11,000円の費用がかかる/基本的に遺言者本人が作成するため、法的に有効でない遺言内容の場合、無効となってしまう可能性がある/紛失の危険性がある

3 弁護士に遺言書作成を依頼するメリットとは?

「元気なうちに遺言書を作成しようと思ったけど、何から書けば良いのか分からない」

「遺言書の作成を弁護士に頼むメリットって何だろう?」

いざ遺言書を作りたいと思っても、まず何から手を付けるべきかが分からず、時間だけが経ってしまった、という方も多いのではないでしょうか。

なんとか自分で遺言書を作成したとしても、遺言書としての法的要件を満たしておらず、結果的に無効となってしまうケースも残念ながら存在します。

また、遺言書の内容が不十分であったために、かえって相続人同士での仲違いの原因となってしまったというご相続人からの相談も少なくありません。

「せっかく遺言書を作ったのに、意味のないものとなってしまった」ということがないように、ぜひ、遺言書の作成は弁護士へのご相談をおすすめします。

弁護士は、常日頃より相続人同士の個人トラブルに関するご相談を受けております。それらで培った経験をもとに、将来、遺留分に関する紛争等が起きないよう、相続のリスクを最大限考慮した遺言書作成のアドバイスができるという強みがあります。

また、どのような場合に感情的軋轢が生じやすいかなど、多数の相続事件を扱った弁護士であれば、わかることがあります。遺留分など法的リスクの問題だけでなく、感情的配慮を考えた遺言書づくりをご提案できます。

また他にも、弁護士に遺言書作成を頼んだ場合、以下のようなメリットがあります。

自身で作成すべきか、弁護士に依頼すべきかお悩みの方は、是非ご参考にしてみてください。

(1) どの方法(自筆証書、公正証書、秘密証書)で遺言書を作成すべきか判断できる

相続手続きの知識や実務経験に基づいて、遺言者からの聞き取り内容や状況から、どの証書として残す事が最善の方法なのかを判断する事ができます。

遺言の方法として、3種類存在する事は前項にてご説明いたしましたが、それぞれがもつ特徴からのメリット・デメリットを鑑みて、どの方法が一番最適であるのかを、弁護士の観点からアドバイスすることが可能です。

(2) 事前に弁護士が遺言書の内容を確認する事で、法的不備での無効化を防げる

遺言書には法律で決められた形式があり、その要件に則った形式でない場合、無効となるケースがあります。

例えば、署名・押印がされていない、日付が記載されていない、遺言の内容が不明確である、訂正方法が間違っている、等が挙げられます。

このような、要件を満たしていない遺言書は、せっかく作成したものであっても法的効力が発生せず、残念ながら無効となってしまうことが多いのです。

そこで、法を熟知した専門家である弁護士から、事前に遺言内容のチェックを受けることで、遺言者の希望する遺産相続を最大限に実現することが可能となります。

(3) 相続財産の調査が可能であり、財産の記載漏れのリスクを下げる

遺言書に記載する相続財産は、正確なものでなくてはなりません。そのためにも、実際にどのような財産があるのかきちんと調査した上で、記載する事が大切です。

しかし、相続財産の調査は思った以上に大変ですので、あまりの大変さに、財産調査の段階で諦めてしまうことも。

そのような時、弁護士が代わりとなって財産調査をし、その調査結果をみて、具体的な分割方法までアドバイスする事が出来るので、相続調査における負担を大幅に減らすことができます。

(4) 遺言執行者として弁護士を選任できる

遺言書の作成だけでなく、遺言執行者としても弁護士を選任する事ができます。

遺言執行者とは、遺言の内容に基づいて、実際に相続手続きをする者のことを言います。

例えば、相続人が多数いる場合だと、面倒な相続手続きをそれぞれが協力して行うことは非常に難しく、財産を受け取るまでに時間がかかってしまうケースがあります。

その問題を想定して、事前に遺言書のなかで遺言執行者を選任しておくことで、スムーズに手続きを行うことができるのです。 

ただ、遺言の内容によっては、遺言執行者に負担が多くかかってしまい、かえって手続きが滞ってしまうということも考えられます。他の相続人から、本当に公正な手続きをしているのか等疑われ、相続人同士の争いに発展してしまうことも少なくありません。

そのような時に、社会的信用性の高い弁護士を遺言執行者として選任しておくことで、このリスクを大幅に下げることができるのです。

4 まとめ

近年、「終活」という言葉が浸透し、一般的なものとなりましたが、それだけ、「自身の亡き後、残された家族に極力迷惑をかけたくない」という優しいお気持ちを抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃるのだと思います。

その中でも、相続手続きというのは非常に煩雑であり、どのように進めればよいか分からずに、お一人で悩まれていらっしゃる方も大変多いのではないかと思います。

そのような時、法律の専門家の立場からアドバイスをすることで、そのお悩みを一緒に解決し、少しでも安心した生活を送れるように、お手伝いさせていただければ嬉しく思います。

遺言書作成のお悩み、お困りごとがございましたら、是非、多数の相続事件を扱った経験のあるアポロ法律事務所へお気軽にご相談ください。

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